



登場人物
お母さん
色々な所から出てくる砂に驚かされている。
りい子
砂の運び手その1。
りい太
砂の運び手その2。
数年前の事。娘が小学一年生になりました。
我が家が住んでいる地域は郊外。結婚や転職を機に、引っ越して来ました。
東京生まれ東京育ちの私は、学校の狭いグラウンド(高校に至ってはコンクリートのグラウンド)に慣れていたので、
娘の学校に始めて行った時に、かなり大きめな自然公園並みのグラウンドに驚愕しました。
遊具も沢山あり、自然も豊かでマイナスイオンに包まれていそうな広大な敷地。
そこをのびのびと縦横無尽に友達と一緒に走り回り、とても楽しそうな娘。
毎日が充実している様子で、とても嬉しく思いました。
小学校に入学してしばらくの時間が経過しました。
気が付くと、家の中のいたる所がじゃりじゃりになっていました。
布団に砂、トイレに砂、たたみの上にも砂。ありとあらゆるところから、少量の砂が出てくるようになったのです。
掃除もしているのになぜ?と奇妙に思っていたら、丸まって脱ぎ捨ててある娘の靴下に目が留まりました。
靴と接している面が、真っ茶色に変色していました。
びっくりして靴下を伸ばして確認してみると、茶色の汚れはドロでした。
小学校で活動している間に、足が土に触れる機会があったのでしょう、それはもう真っ茶色に染まっていました。
このまま洗濯機に入れては他の洗濯物まで泥の被害を受けそうなので、
下洗いをすることにしました。
使ったのはドロ汚れ、食べこぼし汚れにてきめんと大評判の
ウタマロ石鹸です。
結構頑固な汚れでしたが、石鹸をこすり付けて手でもみ洗いしていく内に
みるみる水が茶色く濁って、やがて元の色を取り戻しました。
軽くすすいた靴下を洗濯機に入れて、ほっとしながら居間に向かいました。
その途中で玄関の横を通り過ぎました。
そこには、あちこちに散らかっている娘の靴が。
もしや…と思い、娘の靴をその場でくるっとひっくり返しました。
外でやれば良かった。
砂まみれになった玄関をほうきで掃除しながら、そう思いました。
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